2009年03月09日

♪:同居記録:113

☆2008.11.18。毎日、朝からお笑いのネタになるような会話ばかり。

「あんたの事務所はうちからどのくらいの場所にあるんだい?」。
「うーん(もう、何百回言った事か・・)、ここからなら15分、信号待ちを入れて20分かな」、と私。
「へーっ?。それで、毎日途中で誰かに会うのかい?」、と母。
「誰がね?。俺が誰かと会うのね?」。
「知らんよ。会うんだろ?、あんたは」。
「俺は誰とも会わんよ」。
「??・・うーん、・・そんならそれでよかタイ」。

母を施設に届けた後で笑ったのですが、母の耳には(信号待ち)を(シンゴ町)と聞こえていたようです。それとも、シンゴという人間と待ち合わせているとでも思ったのでしょうか。

そして、いつも会話が変になる魔の交差点での事。地元の九州産交の観光バスが2台信号待ちしていた時の事。車両のボデイーには綺麗な紺色に塗られたラインが横に走っています。
「大きなバスよね」。
「うん」。「長いバスね」。
「うん?」。
やがて、動き出して左折し始めたバスを見た母が、「ありゃ、二つに折れた!」、と騒ぐのです。母の目には2台のバスのボデイに走る紺のラインが繋がって見えていて、2台のバスが1台に見えていたようでした。つまり、1台は直進し、後続のバスは左折したものだから母には割れた、折れたように見えたようでした。

昨日の帰宅時にも、「南国殖産」、というガソリンスタンドの文字を読んだりする処をみると母の目は光りさえ十分にあれば見えている事が分かりました。遠くを飛ぶ飛行機などは私よりも見え、尾翼に書かれたANAという文字さえ読む日があります。結局、性格からくる早とちりだと思うのです。周囲がゆっくりとしたテンポで喋ってくれ、自分が理解しやすいと感じたら次々と母の方から言葉を繰り出してきます。

しかし、そこに聴覚障害と認知が加わるからトンチンカンな会話になる事が多いのだと思います。聴覚障害の場合には母は必ず、「うん?」、と聞き返しますから耳に近づいてもう一度喋れば理解します。しかし、認知の為に理解できない言葉は厄介です。

例えば、秋深し・・、と言えば理解できても、晩秋の・・、と言うと理解しません。雪が積もって・・、と言えば理解できても、積雪が・・と言うと理解しません。初鰹、初霜、玄関越し、屋根裏・・、そんな言葉が全くダメです。

処が、焼印を入れる、烙印を押す。矢面(やおもて)に立つ、屋形船、夜会服、金脈、旅愁、迷走神経、万能選手・・など、意外に思えるような言葉を理解したりします。
長過ぎる言葉は基本的に無理なんですが、意外な事もあります。それは、「万能」、が理解できなくても「選手」、という言葉を足すだけで理解する事があるんです。
デイ施設の近くに洋服の青山というのがありますが、その正面にメンズショップ青木というビルが建築中で、「あーあ、青山さんの隣に青木さんか・・。洋服の売りっこだね」、と言います。

まあ、私達夫婦の努力と涙を知らず、母なりに我が儘に頑張ってくれていると思っています。

♪:蜃気楼


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